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魚価が5倍に!?とれたての鮮度を届ける -沖縄県国頭郡-

沖縄県、国頭村。
総面積の8割以上を森林が占め、人の手が入っていないとにかく青い海が一面に広がる大自然に囲まれたこの村の港では、沖縄らしい青緑色、黄色、ピンクといった極彩色の様々な魚が日々揚がる。

そんな国頭で漁師として第一線で活躍する、元ホテルマンという異業種から参入した村田さん。

魚価の向上が見込めるシャーベットアイス生成機「SIS-HF」についてお話を伺った。

SISを使用した感想を教えてください。

シャーベットアイスを使用するのは初めてで、導入する前は本当にこれで魚を冷やせるのだろうかという不安がありました。水みたいなゆるい氷なので半信半疑でしたが、実際に使用してみるとその流体の特性で水槽の下までしっかりと冷やし込みができて、魚の鮮度に明らかな違いがでました。これまでの水氷よりも確実に均一に長い時間冷やせてますね。

SIS使用して何か変化はありますか。

もともとは競りだけで売っていたのですが、シャーベットアイスの鮮度を評価いただく機会があって、地元のスーパーのユニオンに直接卸すようになりました。
日によっては、競りに出すよりも5倍近くの値段で売れることもあります。
競りだと100円から200円の魚が、ちゃんと処理して冷やし込めば1200円で売れるなんてこともあります。

実際にスーパー(ユニオン)さんから「5日後に食べたけどまだ刺身でも全然大丈夫だね」といった声があり、良い評価をいただいている実感がありますね。

今後の展望を教えてください。

魚が獲れ過ぎてしまった時の対応が課題です。
実は単純に冷やしこむだけだと、鮮度は保たれないんです。
船上で取れたらすぐに血抜きをして、シャーベットアイスに入れて浜に届けています。そうすることで初めて、鮮度を保った魚を届けることができるんです。

少量であれば、問題なくできるのですが、大量の時は全ての処理がどうしても追いつかないので、そこをうまく仕組み化することがこれから大切になってくると思います。

また、獲れない時は待っていることしかできませんが、取れ過ぎた時は大量貧乏になってしまいます。
SISの氷は鮮度を保つことができるので、ストックして少し日にちをずらして売ったり、運んで加工品にしてもらったり、漁協と組んで、さらに販路を拡大する手を打っていきたいですね。

加工品とおっしゃてましたが、チャレンジするにあたっての課題などはありますか?

まずは保健所のハードルがありますね。
一番簡単な方法としてはアウトソーシングで出してしまって、どこかから補助金を引っ張ってきて地域名産を作るということもできますが、それでは高く売ったということにはなりません。
今までよりも安く買い取られてただ魚が世の中に出回る様になるだけですので。売るならちゃんと売りたいです。自分たちで小ロットでもいいのでやってみるなど、検討しています。

SIS-HFの導入はあくまでも手段と考えて、この機械をいかに活用して魚を高く売るかというのをしっかり漁協と考えてこれからもチャレンジしていきたいと思っています。