RE/PORT PROJECT

PROJECT

加工品の質がワンランク上がるシャーベットアイス -青森県八戸市-

青森県、八戸。
かつて八戸藩が置かれた「青森の玄関」八戸は、日本最大級の朝市、館鼻岸壁朝市が開かれ、スルメイカの水揚げが日本一の水産の街である。海と山、川と自然に恵まれ、東京まで新幹線で3時間という立地も相まって、多くの人が行き来している。
そんな八戸で、水産加工業を営んでいる、全漁連八戸食品株式会社、代表取締役 石川さん。

石川さんは、高鮮度技術によりで魚価をあげることが可能なシャーベットアイス、SIS-HFの導入を決断した一人だ。
SIS-HFとは?

青森名物の〆鯖が主力商品の加工食品会社において、SIS-HFはどのように事業に貢献しているのだろうか。お話を伺った。

SIS-HF導入前の課題を教えてください。

最終的な魚価をあげていくためには品質の向上を行う必要があり、いかに魚の新鮮な状態を維持するかという点が課題でした。

どういった形でSIS-HFを活用されていますか?

うちの工場では鯖を扱っているのですが、市場から買ってきて原料の冷凍処理をする際にSIS-HFを使うことで魚の鮮度保持をしています。

実際にSIS-HFを導入されてからはどのような変化がありましたか?

その日の朝に市場で水揚げされた魚を順に処理していくのですが、これまではお昼や夕方まで作業に時間がかかった場合にどうしても鮮度が落ちてしまうということがありました。SIS-HFを導入したことによって冷凍庫に入れるまでの間の魚の鮮度維持ができるようになりました。

実際に製品(加工品)の質の向上というのも感じられるレベルですか

隣に工場があってそこで〆鯖を3枚おろしにするのですが、鯖の鮮度が良いので歩留まりが良くなったという結果が実際に出ています。
また、小売の魚屋さんへの卸しも行っていて、こちらでもSIS-HFを入れるようになってからは評判がすこぶる良いです。直接下ろした際は、加工品の場合以上に品質の改善がはっきり見えやすいですね。

導入によってこれまでのワークフローに変化などはありましたか?

今までは1tぐらい水が入る大タンクにまず塩を入れて水を流し込んで冷やしこむ、といった作業があり、手間が非常にかかっていました。SIS-HFではその工程が丸っと省け、塩分量の調節などもボタンひとつで可能ですので冷海水のクオリティ維持にも役立っています。

んぎょれん八戸食品株式会社、代表取締役 石川さん

作業時間としてはどのぐらいの短縮になったのでしょうか?

冷やすための氷タンクを一つ作るのに20分から15分はかかっていたのでそれが今ではボタンひとつで出てくるまでに1分とかですので、かなりの短縮になりましたね。

機器の管理やメンテナンスに関してはいかがでしょうか?

メンテナンスに関してはリモートで管理してくれているので、特にこちらでの作業は発生しておらず、非常に楽ですね。

SIS-HF

その他に導入して良かったことや、変わった事はありますか?

今後の展望となりますが、商品開発に繋げていきたいと考えています。例えば朝獲れたイカをシャーベットアイスに入れて昼のあいだ保管しておき、そのままイカ刺等の加工処理に移ると、従来の氷を使うよりも凍結回数を一回減らすことができます。これによって食感に明らかな差が出て、美味しさが段違いに変わります。
このようなイカへの応用をはじめとして、ほかの港とは違う、差別化が図られるような新商品を開発したいと思っています。

加工品においても、ワークフロー改善、品質の向上と多くのメリットを生むSIS-HF。
漁業の未来を切り開く、一つの鍵になるかもしれない。