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2022.06.06

導入物件ご紹介 その① 【平戸魚市株式会社様 編】

今回は、平戸魚市株式会社様をご紹介します。

平戸魚市(株)様のある長崎県平戸市は、長崎県の北西端に位置しており、ポルトガルとの南蛮貿易やフランシスコ・ザビエルがキリスト教布教を始めた地として有名。

市内にはオランダ商館やイギリス商館が立ち並び、教会と寺院が混在する風光明媚な所です。 歴史の教科書にも載っているので、皆さんも『平戸』という地名を一度は目にした事があるのではないでしょうか?

👆 平戸魚市(株)様と一緒に作り上げた当社独自の2タンクシステム

                                

2015年当時は、当社も空調の技術を引っ提げて水産業界へと新規参入したばかりでした。

そんな時に出会った平戸魚市様から機器導入のお話を頂き、翌年2016年3月に10トン/日のシャーベットアイス機器を設置。

平戸魚市様の全面的なご協力のもと、『徹底的に水産業者にとって使い勝手の良い機器にしよう!』と改良を重ねながら作り上げていったものが、現在のSIS-HFⓇ 機器構成・システムのベースとなりました。

                                       

平戸魚市様では、陸揚魚の浸漬冷却・セリ場での鮮魚冷却や出荷時利用が主な利用法です。

👆 アゴ(トビウオ)へのシャーベットアイス利用の様子

                           

アゴ(トビウオ)だしブームは皆様のご記憶に新しいと思います。

平戸でも毎年秋に陸揚されるアゴ(トビウオ)にシャーベットアイスが使われ、高鮮度維持のみならず、現場作業の効率化・省力化にも役立っております。 シャーベットアイスを利用した事による鮮魚品質の向上が魚価向上へ貢献した事例として、水産白書にも掲載されました。

上記利用の他には、小型旋網(まきあみ)船から陸揚げした青魚へのシャーベットアイス需要が年を追うごとに高まっています。

👆 大缶に積まれた魚へシャーベットアイスをかけている風景
👆 サーモカメラで撮影

                                    

九州北部では、旋網(まきあみ)船で大量に獲れる青魚を陸揚後、「大缶(おおかん)」という巨大な金属の容器に入れて各地へ出荷するのが一般的です。

従来の冷却手法である「砕氷を大缶の上部(魚の上)に載せる」という方法では、氷が直接当たる上部の魚は冷えても、氷の溶けた冷水(真水)が大缶下部まで行きわたるには時間がかかっていました。 その結果、大缶の上部と下部で魚の鮮度(品質)に大きな差が生じていました。

                                    

では、当社のシャーベットアイスではどうでしょう。

コチラのサーモグラフィ写真を左上から下へとご覧ください。シャーベットアイスをかけた所から、みるみる冷えていくのがわかります。 大缶全体が冷えた状態(写真の右側)になるまで、わずか1分程度!

シャーベットアイスは冷海水と微細な氷粒で構成されている為、水のような流体に見えます。その冷たい流体が大缶内のあらゆる隙間に入り込み、急速に魚体を冷却します。そうすると大缶下部の魚も高鮮度が維持されるため身割れが少なく、品質の良い魚として出荷ができるのです。

導入物件ご紹介【その2】に続く・・・